雨の庭

今年4月からあるお手伝いを始めようと思っている。日本庭園内での様々な業務、庭園ガイド、事務、掃除などを行うそう。

 

好きな場所であること。日本庭園の四季を感じることが出来る。それから意識的に外出出来る。半ば理由をつけないとずっと家の中に引きこもりがちになってしまう日が特にこの一年で身についてしまった。

その為か、一年が物凄い速さで過ぎ去って、四季もあまり感じられずに、日常のちょっとしたことにも鈍感になってしまったように思う。

 

今日はその事前説明会に出かけた。

だんだんと雲行きが怪しくなっていき、雨が降ってきた。

その庭園の施主であった明治時代のある政治家は庭園のもっとも好きだった時期は春の桜でも、秋の紅葉でもなく、雨の降っている時だと言ったそうだ。雨は気持ちが落ち着く。屋根に当たる雨音。土の香り。枝の先に宿している雨粒。葉は雨に濡れて色を濃くし、みずみずしさを内包している。

一年を通して自分の中の四季や感覚を取り戻せたらと思う。